小さな子供が眠りにつく時間が遅いことで起こる恐ろしい弊害があります。
日本人全体の睡眠不足が叫ばれる中、子供の睡眠も引きずられるように悪影響を受けています。
今回は子供の就寝時間を夜22時以降にしてはいけない理由をご紹介します。
子供の寝る時間が夜22時以降の場合に起こる3つの危険
1,子供の知能発達が遅れる可能性
1歳~3歳の幼児期は「自律神経系」のベースが作られる時期です。
この時期の子供の睡眠時間は12時間~14時間必要と世界的に言われています。
夜22時以降に寝る家庭の子供は睡眠不足になりやすい傾向を持っており、後ろ倒しにすらならず必要な睡眠時間が削られてしまいます。
その結果「自律神経系」がうまく発達できない場合は知能の発達が遅れる、という恐ろしい可能性を秘めています。
加えて、自律神経の未発達は体温調節がスムーズにできなくなるなどの弊害も生みます。
子供が一生関わる大事な神経が育つためには十分な睡眠時間と規則正しい生活パターンが必要です。
2,感情のコントロールができない(情緒不安定)
1000人以上の乳幼児保護者を対象に富山県で行われた調査によると、夜21時台に寝る幼児が多くの年齢で6割~7割でした。
そのうち全体の2割ほどの子供が“日中に情緒不安定なことがよくある”との結果。
しかし驚くべきは夜22時30分以降に寝ている子供は「半数以上が情緒不安定な傾向がある」ということです。
就寝時刻が遅くなることによる睡眠不足は、昼間の子どもたちに大きな影響を及ぼしていると言えます。
地方都市でこの状況です。東京などの大都市ではさらに高い数字で子供への影響が出ているものと予想されます。
3,自分で起きられず、朝の機嫌が悪い
毎日寝る時刻が規則的で寝つきが良い子ほど、
- 起きる時間が早く
- 自分で起きることができ
- 朝食を食べる割合いが高い
ということがわかっています。
そして“自分で起きられる(自立起床)”子供ほど朝の機嫌がよい傾向にありました。
反対に、“家族に起こされて起きる”子供は機嫌が悪い傾向が認められています。
特殊な病気でない限り、自分で起きられるかどうかは毎日の睡眠パターンが握っているといっても過言ではありません。
子供を遅い時間に寝させないために大切なこと
夕食を早い時間に済ませる
“乳幼児の寝る時間を早くするためには19時までに夕食を摂る”ことがよいとわかっています。
大人同様、寝る直前にごはんを食べることは望ましくありません。
親の都合に合わせて20時、21時に食べさせるのはNGです。
なるべく19時を目標に、できれば18時くらいに食べさせましょう。
テレビやゲームは控えめに
赤ちゃんを育てる生活をしていると、ついテレビをつけっぱなしにすることも増えます。
しかしこの「テレビ・ゲーム視聴」も時間が長いほど就寝時刻を遅らせてしまいます。
日中の情緒不安定にもつながりますので、テレビを操作する親が番組や時間を決めてメリハリをつけるようにしましょう。
部屋の明るい電気や大きな音なども就寝直前には控えめにするのが得策です。
乳幼児の子供は親の睡眠パターンに影響されることを知る
当然ですが、乳幼児は食事にしてもテレビにしても部屋の電気にしても自分でコントロールすることはできません。
すべて親の配分次第ということになります。
子供の睡眠パターンだけをなんとかする、というよりも親の生活パターンも一緒に見直すことが近道です。
夜の寝付き・朝の機嫌ともに一番良かった就寝時刻を目安に
「夜20時30分~20時59分」
この時刻に就寝した子供が寝つきも朝の機嫌も良かったのです。
21時台、22時台に寝ている子どもと比べてその差は1~2時間ですが、非常に大きな結果の差につながります。
『子供を寝かせるのは夜21時まで』
これがひとつの目安になります。
最後に
就寝時刻が遅い子供は、日中の身体的な活発さも見られないということも言われています。
なぜ自分がそんな風に活動的ではないのか、子供はもちろん自分でわかるはずもありません。
大人からすると“ちょっとくらい”という感覚がある毎日の睡眠。
乳幼児期の子供にとっては、健康な体の根幹が育まれていく大切な時期です。
睡眠が子供にこれだけの影響を与えるとなると、少し大きくなるまでは、
『夕食は19時、寝るのは21時まで』
を目標にご家族でがんばってみてはいかがでしょうか?