「可愛くて大好きなペットと一緒に寝たい」と飼い主なら誰でも思うことです。
実際毎日一緒にペットと同じベッドや布団で寝ている人はたくさんいますが、実はさまざまな危険をはらんでいます。
今回は、ペットと一緒に眠ることの危険や睡眠との関係についてご紹介します。
ペットと一緒に寝ることのデメリット
1,「飼い主の睡眠の質が下がる」
最新の研究では、動物と一緒に寝るペット所有者のうち、30パーセントの人がペットのせいで少なくとも1度は夜中に目を覚ますと報告されている。また、週に4日以上ペットと一緒に寝ている人たちのうち、63パーセントが質の悪い睡眠しかとれなかった。そして、5パーセントの人が、ペットに起こされた後に、再び眠ることができないことが恒常化している。
上記は2014年の比較的新しい研究結果の報告です。
このようにペットと一緒に眠ると“眠りが浅くなる傾向”は避けがたいということです。
理由は、
- 無意識にペットを気にして寝返りがしづらくなる(回数が減る)
- ペットの動き・鳴き声で起こされ、浅い睡眠になる
毎日一緒にペットと眠っている人は経験があるのではないでしょうか?
ペットと一緒に眠ることで“癒される、安心する”という精神的な効果はありますが、それは睡眠に入る前の段階。
入眠後に「目が覚めたり眠りが浅くなる」ような状況はやはり飼い主さんの睡眠にとってよくありません。
また、ペットも飼い主さんの寝返りで睡眠が分断されてしまうことも考えられます。
ペットは大切な家族の一員ですが、まず飼い主さんが健康でいなければ一生守り寄り添ってあげることはできません。
質の良い睡眠を毎日とることはペットのためにも大切なことなのです。
2,「ペットに危険が及ぶ」
人間は“一晩に20回~30回以上”もの寝返りを打ちます。
それだけの寝返りを打てばペットに触れることは避けがたい確率で起こります。
実際「睡眠中の寝返りでペットをケガさせてしまった」という報告は珍しくありません。
飼い主の体がペットにおおいかぶさる想像だけで恐ろしくなってしまいますね。
また、ベッドから落下する危険もあります。
飼い主の寝返りをよけようとして不意に落ちればペットはケガをしてかねません。
人間の眠りだけでなく「安全」という意味でもペットとの添い寝には危険がひそんでいます。
3,「ペットの自立を妨害してしまう」
特にしつけやトイレが十分終わっていない段階で、飼い主と一緒に眠り始めると、
「飼い主と一緒じゃないと眠れない」
など、“分離不安”と呼ばれる1人でいられない状態や、“ペットのわがまま・甘え”を作る原因になることがあります。
病気や冠婚葬祭などどうしても外泊が避けられないことがあっても、親戚やペットホテルに預けることすら難しくなってしまいます。
もちろん、ペットにとっては“不安で飼い主さんと一緒にいたくて”その状態になっているわけですからその点でもよくありません。
ペットとの睡眠における注意点
「快適にペットが眠れる環境づくり」
なによりもまず、飼い主さんのベッドでなくても「快適に眠れる寝床」を用意してあげましょう。
“自分専用のベッドでも快適に眠れるんだ”と理解させ習慣化できれば、お互いの睡眠改善が期待できます。
また、高さのあるベッドに登ろうとする時に「ペットの脚や腰」には予想以上に大きな負担がかかっています。
飼い主さんが睡眠中に、思い切りジャンプして飛び乗られると人間にも大きな危険があります。
ときどき夜ベッドに入り込んでくるようなら、登りやすい“ペット用の台座”をつけると登り降りがスムーズでおすすめです。
最後に
今回ご紹介した「ペットとの睡眠法」は絶対ではありません。
ペットと一緒に寝る以上はこうした弊害はありますが、必ずしもすべての方にあてはまるわけではありません。
例えば「しっかりしつけができるまではケージで寝かせていて、1歳をすぎてから体調のよい日は一緒に寝ている」
など、メリハリのついた睡眠の距離感が保てている場合は大きな問題はありません。
互いの睡眠に配慮した上なら、ときには一緒に眠ることもいいでしょう。
しかしなんとなく毎日ペットと眠ってしまうことで「飼い主さんの睡眠不足」や「ペットのケガの危険」を感じたときは、一度ペットとの睡眠ルールを見直してみることも有意義です。
飼い主もペットも快適に眠れる環境づくりからがんばってみてはいかがでしょうか?