知らずに健康がむしばまれる睡眠不足と不眠の恐ろしいリスク
睡眠不足や不眠で確実に低下する人間の機能
睡眠不足の翌日、耐えられない眠気でまともに仕事できなかったというような経験はありませんか?
不眠症を含めた睡眠が足りない状態は、人間の様々な機能低下を引き起こします。
毎日の生活・仕事の質が落ちるだけでなく、ひいては健康にも悪影響を及ぼす睡眠不足の恐ろしい弊害についてご紹介します。
睡眠不足のリスク①「生活の質の低下」
睡眠が足りていない人の中には「睡眠不足ではない」と思っている人が多いものです。
しかしそれは単に“毎日の慣れ”からそう思っているだけの場合もあります。
- 朝起きられない、いつも寝起きが悪いのは自分がそういうタイプだから
- 日中、気を抜いている時は基本的に少し気だるい眠気があるがそれは昔から
自分で睡眠不足だと気づいていません。悪い状態を「普通」だと思い込んでいるわけです。
ちょっとした生活の質の低下を“普通”と思ってしまうことがある意味では「睡眠不足の一番のキケン」。
これでは体調やその日の気分のどこかに常に“マイナスを抱えた”状態がデフォルト。
毎朝「熟睡感」を感じてスッキリ起き、夜まで眠気を感じない人とは“生活の質”が大きく変わってくるのは当然と言えます。
睡眠不足ではないと思っていると、②・③のような体への悪影響に対処する機会を失うことにもなってしまいます。
睡眠不足のリスク②「仕事の質の低下」
睡眠不足による「日中のパフォーマンス低下」は多くの人が経験したことがあると思います。
具体的には、
- 入力や計算作業などの集中力
- 話の理解力・記憶力
- あらゆる要件の判断力
など、どれも仕事上不可欠な能力が低下します。
これは様々な実験においても明らかな“根拠のある”睡眠不足の悪影響です。
当然ながら同じ時間働いても、充実した睡眠をとっている人のほうが能率もスピードも早く、差が付きます。
これは学生の勉強にも当てはまります。
また、繰り返す「遅刻」や「仕事中の居眠り」は上司や同僚からの信頼関係を崩しかねません。
職種によってはその一瞬の判断ミス、会議でのミスが命取りになるということもあります。
社会生活においても睡眠不足がもたらす弊害は個人の前に大きく立ちはだかります。
睡眠不足のリスク③「健康への悪影響」
習慣化された睡眠不足は、体の健康にも悪影響を及ぼすようになります。
例えば健康な方は2日間、4時刊睡眠を続けて睡眠不足の状態になると、たっぷり10時間眠った日に比べて食欲が増すことがわかっています。
これは体内で食欲を抑えるホルモンの分泌が減り、逆に食欲を高めるホルモンの分泌が増えるからです。
(引用:三島和夫著「不眠の悩みを解消する本」p.95)
まったく健康な方でも睡眠不足になるだけで、食欲が普段通りコントロールできなくなるわけです。
こうしたことの原因が“睡眠のせい”と感じることはありません。それだけに恐ろしい影響の1つです。
さらに、眠れないことが日常的な「不眠症」の人は“生活習慣病”にかかりやすいこともわかっています。
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- 狭心症
体に負担のかかる病気が並んでいます。
こうした重い病気にかかりやすいことも「睡眠不足が健康にもたらす悪影響」を物語っています。
「睡眠不足・不眠症のリスク」まとめ
ここまでで思い当たることがある人は睡眠を見直せば少しでも改善できることがあります。
日本人の5人に1人は睡眠部不足。
睡眠不足に対して“慣れきって”しまっていると言えます。
周りを見て安心することは危険です。
ほかならぬ自分自身の健康とパフォーマンスを引き出すための努力と思えば、十分に取り組む価値があります。
毎日少しずつでも睡眠の“時間と質”を見直してみましょう。
それが病気や事故などの本当に取り返しのつかない事態を避ける第一歩になります。
参考文献:三島和夫著「不眠の悩みを解消する本」