“睡眠不足の人は太る”などと言われることがありますが本当なのでしょうか?
睡眠時間が長短と肥満がどのような関係を持っているのか、睡眠不足と肥満のメカニズムについてご紹介します。
睡眠不足の人が太りやすい原因
◆寝不足が生み出すホルモンバランスの崩れ
食欲には「グレリン」と「レプチン」という2つのホルモンが深く関係しています。
- 「グレリン」は食欲を増やす効果のあるホルモン
- 「レプチン」は食欲を抑える効果のあるホルモン
十分な睡眠時間がとれている人は2つのホルモンバランスが取れている状態にあります。
大人の睡眠時間で平均かつじゅうぶんと言えるのは7時間前後。
ところが、睡眠不足の人は“「グレリン」が増え「レプチン」が減る”という状態。
睡眠時間が9時間、7時間、4時間の人に分けて調べた研究では、4時間睡眠の人が最も太りやすいホルモンバランスという結果に。
単純に食欲が増してしまうことをあらわしています。
◆肥満の度合いを現す「BMI」も高くなっている
「BMI」とは、
『Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)』の略。
ヒトコトでいえば、“肥満度をあらわす指標“。
出典:weheartit世界的に使われていて、日本では「日本肥満学会」が理想の指数を発表していたりします。
睡眠不足の人はこのBMI数値も高いことがわかっています。
ホルモンバランスの崩れは確かに肥満状態を生み出しているのです。
◆睡眠不足が太りやすいその他の原因
・起きている時間が長いことによる空腹・夜食
睡眠不足の人は起きている時間が長くなり、その分お腹がすきやすいと言えます。
加えて“夜型”になる人が多いので、寝る前の夜食を食べがちなことも悪影響です。
・代謝機能の低下
睡眠は体を休め回復させる働きがあります。本来寝ている間に筋肉が弛緩し血行や代謝がアップしますが、睡眠不足の人はこの回復にあてる時間も短いため代謝が下がってしまいます。
・筋肉量の減少
筋肉は体の基礎代謝を上げるために重要な役割を果たしています。睡眠が足りないと筋肉が減って基礎代謝が上げられません。
◆睡眠不足が肥満に結びつくキケンは子供にも
小学校低学年などの小さい内から睡眠不足の子はBMI数値が高めです。
そうした子どもたちは、中学・高校に上がったその後もBMIが高いという報告もあります。
睡眠不足と肥満の関係は、子供の頃から無視できない問題です。
◆実は“寝すぎ”の人も肥満のキケン
睡眠不足の人だけでなく、寝すぎの人の危険もわかってきています。
長時間睡眠をとっている人は比較的「うつ状態」になりやすい傾向。
長時間睡眠でかつ「うつ状態」である場合、必然的にベッドで横になったままの時間が長くなりがちです。
当然ですが、起きて活動している人よりも脂肪・エネルギーを使うということはありません。
こうした理由から“寝すぎの人”もBMI数値が高くなってしまいます。
まとめ
やっかいなことに睡眠不足でグレリンが分泌されると、高脂肪・高カロリーな食べ物を求めやすい傾向にあるとも言われています。
寝る前にこうした夜食を食べてしまうとさらに太りやすくなるのは明らか。
ホルモンバランスの崩れが1番大きい影響と言えますが、睡眠不足は他にもさまざまな太る原因となります。
肥満体質が気になる方で寝不足の場合は、一度睡眠の目線から見直してみてはいかがでしょうか?