「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の違い
誰しも一度は耳にした事のある「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」。
2つの違いがどんなものかご存知ですか?
この2つを周期的に繰り返すことで睡眠が作られていますが、それぞれが持っている役割が違います。
人間の眠りを理解する基本となる「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」について詳しく知っておきましょう。
「ノンレム睡眠」とは?
ノンレム睡眠は“体は活動して、脳は休んでいる睡眠状態”のこと。
語源は「Non Rapid Eye Movement(ノン レイピッドアイムーブメント)」の頭文字。
後述するレム睡眠のような眠りの最中の“速い目の動き”はありません。
脳が休息して、レム睡眠より「ぐっすりと深い眠り」に入っています。
少しの音や振動ではなかなか起きず、起こされてもすぐに行動するのが難しい状態。
そしてノンレム睡眠中は「副交感神経系」が活発になります。
そのため心拍数や血圧などの心臓血管系は落ち着いて、体温や代謝も下がります。
『睡眠段階の1~4』までが“ノンレム睡眠“で、その後にレム睡眠へと入っていきます。
「レム睡眠」とは?
ひとことで言うと、“体は眠って、脳は活動している睡眠状態“のこと。
ノンレム睡眠とは逆のイメージです。
筋肉などの体は休んでいても、脳が覚醒しているため、急に起こされても行動しやすいレベルの睡眠。
レム睡眠の語源は「Rapid Eye Movement(レイピッドアイムーブメント)」の頭文字。
その名の通り、レム睡眠中は“早い眼球運動”をしています。
(体の他の部分はほとんど動きませんが、すばやい目の動き⇒脳の活動状態をあらわしています)
また、レム睡眠中は「交感神経系」が活発となり、
- 心拍数
- 血圧
- 呼吸
などが増加します。
こうした心臓血管系は活発に動きますが、あくまでも体は休んでいます。
この「ノンレム睡眠→レム睡眠」の1セットが【睡眠周期】と呼ばれています。
「ノンレム睡眠+レム睡眠」を足した時間が90分
この【睡眠周期】は、約80分~100分ほどで1セット終了。
つまり「ノンレム睡眠+レム睡眠」1回が平均約90分周期になるわけです。
深い眠りのタイミングを避ければ起きやすい、という考え方ですね。
これが“睡眠時間は90分区切り“と言われている理由のひとつ。
一般的な6時間~8時間の睡眠をとっている人は、睡眠周期90分を一晩で4回~5回繰り返しています。
しかし、“睡眠の質“は常に一定ではありません。
深い眠りである「睡眠段階3~4」があらわれるのは眠りの前半がほとんど、ということは覚えておきたい知識です。
眠りはじめの3時間の内に“深い睡眠の80%~90%“が出現しています。
【質の高い眠りをとるためには『睡眠の前半』が大切】
これは睡眠を改善するためにはとても重要なポイントです。
「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の違いまとめ
- 『ノンレム睡眠』 = 体は活動して、脳は休んでいる睡眠状態
- 『レム睡眠』 = 体は眠って、脳は活動している睡眠状態
- 『睡眠周期』 = 「ノンレム睡眠+レム睡眠」を1セット約90分で繰り返す周期
2つの睡眠の違いと、約90分周期で交互に繰り返すこと。
そして“入眠開始3時間で深い睡眠の大部分が出てくる“、ここが重要な知識でした。
これらを踏まえ、さらに脳も体もリフレッシュできる睡眠には「体温」も大きく影響します。
※参考文献:「睡眠改善学(ゆまに書房)」 監修:堀忠雄/白川修一郎 編:日本睡眠改善協議会