勘違いの多い睡眠薬は実は安全!安全性や効果の持続時間について

数種類の睡眠薬の画像

「睡眠薬」といえば依存性が高く、飲み過ぎると健康を害する危険な薬というイメージが強く残っています。

しかし最近処方される睡眠薬の副作用はかなり少なく、効果が長期間続きやすいなどメリットがたくさんあります。

今回は不眠症治療に積極的に使われる「睡眠薬」の副作用や効果についてご紹介します。

 

”睡眠薬は危険”という間違った認識

70年代ころまで使われていた「バルビツール酸系」「非バルビツール酸系」といった古いタイプの睡眠薬は、現れる効果が強いものの副作用も強く、飲み過ぎによる呼吸停止や依存症など安全性においては非常にデリケートな薬でした。

そのため睡眠薬に対して”危ない薬”というイメージを持つ人は多く、子供たちにもその考え方は受け継がれています。

また「問題を抱えた登場人物が睡眠薬を大量に飲んで自殺する」といったネガティブなシーンはドラマで誰しも一度は見たことがあります。

そうしたことも手伝って悪いイメージがつきまとっている睡眠薬ですが、ここ10年ほどで作られた薬はまったく別物といえます。

 

現在の睡眠薬のポイント

  • 「健康的で自然に近い眠りが得られる」
  • 「副作用が大幅に少ない」
  • 「長期間の飲用でも効果が弱まらない」
  • 「依存性がほとんど見られない」

このように、いままでの「危険な睡眠薬」のイメージとはまったく異なる効果を期待できるのが現在の睡眠薬なのです。

 

睡眠薬と市販の”睡眠改善薬”の違い

最近ではドラッグストアや薬局で買える”市販の睡眠薬”も登場しています。これは風邪薬や花粉症の薬に使われる「抗ヒスタミン薬」の副作用を利用したもので、”飲むと眠くなる”という特徴を活かしています。

しかしこの「抗ヒスタミン薬」を使った睡眠薬は、医療現場で専門医が処方する睡眠薬とは作用がまったく違います。

薬の定義としても、正式には「睡眠改善薬」と呼ばれ「睡眠薬」とは別のものになります。

 

「睡眠改善薬」の注意点

ネーミングが「睡眠改善薬」であればいかにも不眠の症状を治してくれそうですが、いくつか注意点があります。

  • 短期間のみの使用が前提
  • 一時的な寝つき、時差ボケによる不眠などには一定の効果が期待できる
  • ”不眠症の方は服用しないでください”と書いてある

このように、短期間の服用かつ一時的で軽度な症状に対して使う薬というわけです。

特に3番めの”不眠症の方は服用しないてください”という文言は衝撃的です。ここが決定的に「睡眠薬」とは異なる点と言えるでしょう。

風邪薬などの眠くなる作用を応用した程度で、医療機関で扱われる睡眠薬とは使用用途も成分も違うのです。また、不眠症患者に対する安全性も確認はされていません。

眠れない日が1ヶ月以上継続し「不眠症」の疑いがある場合にこうした”睡眠改善薬”を服用することは避け、専門医に相談しましょう。

睡眠薬の関連記事→『意外に知らない「睡眠薬」と「睡眠改善薬」の違いとは?

 

「睡眠薬」の効果持続時間

実際に不眠症治療にもちいられる睡眠薬は「効果の持続時間(作用時間)」によって種類が分かれています。

「超短時間作用型」(消失半減期:2~5時間)

「短時間作用型」(消失半減期:6~10時間)

「中間作用型」(消失半減期:20~30時間)

「長時間作用型」(消失半減期:50~100時間)

引用:三島和夫著「不眠の悩みを解消する本」

 

飲んだ後約1時間で睡眠薬の血中濃度は最高潮に達し、その後は体内で分解されながら濃度が少しずつ下がっていきます。

「消失半減期」とは、”睡眠薬の血中濃度がもっとも高い状態から半減するまでにかかる時間”のことを指します。

ただし、「消失半減期」と「作用時間」は同じ意味ではないので要注意です。例えば「消失半減期」が50時間の薬を飲んだからといって50時間眠りっぱなしという意味とは違います。

「消失半減期」は”睡眠薬成分の血中濃度が半減するまでの時間を指す”という点は覚えておきましょう。

 

作用時間の違いによる睡眠薬の副作用

「作用時間」が長い睡眠薬は、睡眠の後半まで効果が持続するものの、起床時刻になっても寝足りない感覚を覚えることが起こりえます。

「作用時間」が短い睡眠薬は、寝付きがよくなり起床時の感覚にも問題をきたしませんが、早朝覚醒や中途覚醒といった不眠症状に対しては効果が薄い場合があります。

基本的には、

  • 「入眠障害」
  • 「中途覚醒」
  • 「早朝覚醒」
  • 「熟眠障害」

といった不眠症状の種類に合わせて薬が処方されます。

関連記事→『眠れない夜の対策に!タイプ別に見る7つの不眠症状

 

また高齢者で不眠症の方は、起きた時の寝足りない感じや日中のふらつきなどの副作用を防止するため、作用時間の短い睡眠薬を少量ずつ飲んでいくのが一般的です。

しかしながら、高齢者の不眠症状の場合「早朝覚醒」や「中途覚醒」など”睡眠の後半部分”に原因があることが多いため、超短時間・短時間作用型では治りきらず長引くこともあります。

 

まとめ

睡眠薬に対するイメージ、変わりましたでしょうか?

昔に比べると最近治療に使われている睡眠薬はほんとうに優秀で、体へかかる負担も最小限におさめられます。

また、現在の不眠症治療の主流は「睡眠薬による薬物療法」です。

医師の指示・指導のもとで適切に飲用すれば、安全に効果を引き出すことができます。

不眠症に悩みながらも”睡眠薬は一度飲んだら危ない”と敬遠されていた方は、ぜひ一度専門医に相談の上で服用を検討してみてはいかがでしょうか?

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