不眠症状が治らないときは専門医へ!治療から認定医病院情報まで
”每日眠れない、夜中に起きてしまう”といったつらい不眠症状は生活習慣を改善しても治らないことがあります。
ただでさえ体調や気分が優れない状態ですから、そんな時はひとりで悩まずに睡眠の専門医に相談してみるのがおすすめです。
一般的には精神科や心療内科で不眠症治療を受け付けています。今回は病院での不眠症治療の流れと日本睡眠学会の認定医師情報をご紹介します。
「不眠症」の診断から治療までの9つの流れ
1.「不眠症状の把握」
不眠の原因や症状はさまざまで一人ひとり本当に違います。
入眠障害・中途覚醒などに加え、過覚醒・恒常性異常といった不眠症状を把握することから始まります。
2.「不眠治療が必要かを判断」
夜の眠れない症状に加え、日中の不調についても細かく聴取することで治療が必要かどうかを判断します。
不眠症状の把握をより正確に行うという意味合いもあります。
3.「生活習慣指導」
不眠を患う人が少しでも質の高い睡眠をとれるよう、専門知識に基づいた生活習慣改善のアドバイスを行います。
4.「リスク評価」
睡眠薬を実際に処方する前に、長期間服用になってしまうリスクがどれほどあるかの評価を行います。
- 不眠症状が重い
- 抗不安薬の服用、服用の経験有無
- 高齢である
- 合併症・ストレスがある
- 薬物依存の経験有無
- アルコールとの併用
- 患者の正確
といったことが注意点として挙げられます。
5.「薬物療法」
不眠症治療に使う薬には多くの種類があり、慎重に判断する必要があります。
患者の不眠症タイプ・持病・健康状態・生活サイクルといった状況を考えて選ばれます。
6.「認知行動療法」
睡眠薬を使わずに治療を行う「認知行動療法」も検討されます。
単体、もしくは薬物療法と同時に行う治療法として有効性が認められているものです。
7.「不眠の再評価」
薬物療法・認知行動療法の効果が発揮されない場合、治療効果を妨害している原因についての再評価を行います。
自分では眠れなていないと感じていながら実際には脳波が睡眠中である「無睡眠状態誤認」などに注意しながら、不眠症とは異なる睡眠障害の可能性についても再検討します。
8.「維持療法・維持薬物療法」
不眠症状の改善が見られたら薬物療法を続ける期間について検討します。
睡眠薬を減らす・止めるといった場合には、夜の不眠症状と昼間の不調がどちらも改善していることが前提条件です。
9.「休薬トライアル」
不眠症が治ってきたら、ベストなタイミングにベストな方法で睡眠薬を減らす・止めるための取り組みがスタートします。
不眠症は完全に治っていない段階で睡眠薬の使用を中止すると、再発・悪化につながる可能性があるため必要十分な期間をかけて行われます。
不眠症に悩んだら迷わず医師に相談する!精神科・心療内科へ
不眠症は長引くほどやっかいな病気で、慢性化した不眠症患者の半数は薬物療法を受けても再発してしまうと言われています。
- 毎晩寝酒をする
- 市販の睡眠改善薬を常用する
- 睡眠に不向きな快眠・安眠グッズを多用する
など、自己流の対策ではつい間違った方向にいって不眠症状が慢性化しがちです。
そのため、できるだけ早期の段階で最適な治療を治療・診断を受ける必要があるわけです。
しかし一方で”不眠症の悩みはどこに相談すればいいのかわからない”という声はよく耳にします。
それも当然で、世の中には不眠治療を受診する際の情報があまりに少ないのもまた事実です。
「精神科・心療内科」の受診が基本ですが、”近くにない、ちょっと行きづらい”という場合はかかりつけの主治医に相談してみてもいいでしょう。
まずはひとりで眠れない悩みを抱え続ける状態にストップをかけることが大切です。
日本睡眠学会認定医の情報ページ
不眠治療の医師・病院を探すなら「日本睡眠学会」のサイトも参考になります。
こちらから全国の日本睡眠学会認定医師の情報を見ることができます。
東京・大阪・神奈川・愛知などに多い印象ですが、全国に睡眠治療ができる医師は存在しています。
最新情報は「日本睡眠学会のホームページ」でも見ることができます。ぜひご参考になさってください。
不眠症治療で病院に行くときの準備
できる限り不眠の症状を正確に伝える
睡眠治療を得意としている医師であってもまずは症状把握からになりますが、初回からできるだけ多くの情報が合った方が精度の高い治療につながります。
- ここ最近数日間の就寝・起床時刻
- 昼寝の有無・時間
- 睡眠中に目が覚めた回数・時間
- 眠りにつけなかった原因
といった自分の睡眠に関する情報をメモやスマホに書いておきましょう。
また、問診では
- 不眠の症状・期間
- その他の病歴
- 飲用中の薬
- 仕事・生活面に及んでいる影響
などを聞かれることが多いので、あらかじめ振り返って整理しておくとスムーズです。
不眠症は風邪やインフルエンザと違って、短期間では治りづらい上に治療薬の合う・合わないもあります。
二人三脚で治療を続ける担当医師とはできるだけ円滑にコミュニケーションがとれるように意識することが治療の近道へとつながっていきます。
少しでも疑問に思うことや、治療薬が合わないことなどは必ず伝えて状況のすり合わせを積極的に行いましょう。
参考文献:三島和夫著「不眠の悩みを解消する本」