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「過眠症(ナルコレプシー)」とは?症状とその種類
「過眠症(ナルコレプシー)」とは?症状とその種類
「過眠症(かみんしょう)」とは、“夜睡眠をとっているにも関わらず日中強い眠気に襲われる睡眠障害”のことです。
有名な“ナルコレプシー”と“周期性傾眠症”という過眠症があります。
どちらも独特の睡眠発作を伴う睡眠障害ですが、本人が気づいていなかったり努力だけで治すことが難しい場合があるため注意が必要です。
症状を見て必要な場合には適切な医師の判断を受けることが最善です。
過眠症①「ナルコレプシー」の症状
前日が寝不足だった場合は、誰しもが翌日の日中に眠気を感じます。
しかし、「過眠症」の人は継続して以下の症状が継続するのです。
“症状が1ヶ月以上”に渡って見られる場合には可能性が考えられます。
1,「睡眠発作」
日中に強い眠気に繰り返し襲われ、居眠りしてしまうことが毎日ある。
2,「情動脱力発作」
“笑う、驚く、怒る”などの強い感情にともない、体の脱力が起きる症状。
3,「睡眠麻痺」
眠りに入る時、自分の意志で体を動かすことも声を出すこともできなくなるいわゆる“金縛り”の状態。
4,「入眠時幻覚」
睡眠がはじまった時に“鮮明な幻覚”を見てしまう症状。
この4つが特徴的な症状で、日本での発症頻度は0.16~0.59%と言われています。
「ナルコレプシー」は、起きている時(覚醒中)や入眠時に“レム睡眠”が出てきてしまうことが原因です。
過眠症②「周期性傾眠症」の症状
「周期性傾眠症」は思春期に現れる過眠症状で、“傾眠”とは『1日中うとうとしたり眠っている状態』のこと。
思春期に発症することのある疾患で、“傾眠状態が2日~数週間続く”周期が、1ヶ月~数ヶ月の間出現します。
時には“数年に一度”というやっかいな間隔で周期的に症状が出てくることもあります。
傾眠状態の本人を無理やり起こしても、
- 「不機嫌」
- 「抑うつ」
- 「記憶力低下」
などが見られ学校生活に支障が出てしまうため、不安定で悩みの深い症状です。
周期的であるため、逆に傾眠の周期を抜けると“無症状”となり問題なく普段の生活をすることができます。
さらに不思議なことに「成人」になるとほとんどが自然に消滅します。
「過眠症」の対策
「ナルコレプシー」「周期性傾眠症」の2つの症状を見てきました。
これらの症状については、完全な特効薬というものはありませんが、
「ナルコレプシー」には「坑うつ剤(クロミプラミン、イミプラミン)」が有効。
「周期性傾眠症」の場合は「気分安定化薬(炭酸リチウム、カルバマゼピン)」に一定の予防効果があると言われています。
完璧ではないにしてもこうした薬もあるため、症状の改善を期待することではきます。
過眠症は誰しも経験する症状ではないため「だらしない」「夜更かしして自業自得」などと思われてしまうことも少なくありません。
該当の症状が確認できた時には、迷わず睡眠の専門医に相談することがベスト。
医師の診断・助言、薬の処方などによって回復に向かう可能性は十分あるためです。
周囲の理解や協力が得られないと、精神的に追いつめられてしまう場合もあります。
「過眠症(ナルコレプシー)」というコトバを知って適切な対処を心がけましょう。
※参考文献:「睡眠改善学(ゆまに書房)」 監修:堀忠雄/白川修一郎 編:日本睡眠改善協議会
「8時間睡眠のウソ。」 三島和夫 川端裕人