眠れない!「不眠症」とは?睡眠薬を使う判断基準

眠りたくても眠れない。自分は不眠症?」こんな疑問を持つ人は多いと思います。

しかし「不眠症」の判断基準は意外と知られていません。

2、3日の不眠状態”と“長期に渡る不眠症状”。

本人にとってはどちらも深刻な“眠れない”症状ですが、正しい判断をした上で不眠への対処をする必要があります。

今回は「不眠症」の正しい定義と、睡眠薬を使う場合の判断基準についてご紹介します。

 

「不眠症」の正しい定義

夜、眠れない。寝ようとするほど眠れない。

時間だけが過ぎ、翌朝起きると疲れと寝足りない不快感が…。

不眠症は本当につらいものです。

夜眠れないだけではなく、睡眠不足によって日中の頭の回転や強い眠気、その人のテンションにまで悪い影響を及ぼします。

それだけに、いわゆる“「不眠症」なのかどうか”を正しく見極めて対処しなければ改善に時間がかかってしまう場合があります。

 

「不眠症」とは、“不眠の状態が1ヶ月以上に渡って続き、日中の活動に支障が出ている状態”のことを言います。

不眠症状の継続期間が“1ヶ月以上続いている”というところがポイント。

「2、3日眠れない日があった」というのは間違いなく“不眠症状”ですが、睡眠の専門医が定義する「不眠症」ではありません。

これは、短期間の不眠症状であれば誰しも一時的に陥ることがあるためです。

例えば、

  • 「旅行先のベッドが固すぎてあまり寝られなかった」
  • 「仕事の命運がかかる大事な会議が明日ある、と思うと緊張して眠れない」
  • 「とても嫌なことがあって、寝ようとしても思い出して眠れない」

など、誰にでもあるささいなことでいつも通り眠れなくなってしまう。

こうして睡眠が乱れると、引きずられるように翌日、翌々日と眠れない症状が出たりしますが、「一週間もしない内に気がついたら眠れるようになっていた」ということもあります。

これは「一時的な不眠症状」で、焦って睡眠薬を服用する状態ではありません

睡眠の専門医を受診すれば、このあたりも正しく診断してくれます。

 

“一時的な不眠症状”とは反対に、

「眠れない」「夜中に何度も起きてしまう」症状が1ヶ月以上続いている場合は『不眠症』の可能性があります。

そして睡眠不足によって昼間の活動に支障をきたすことが多くなってきます。

こうなると健康面はもちろん、仕事などの社会的な側面にも悪影響が出る恐れがあります。

1ヶ月以上に渡って改善できていないため、ここで「睡眠薬」を使うことが選択肢に入ってきます。

 

できるだけ専門医を受診することが理想ですが、それが難しい場合でも“不眠症の定義にあてはまっているかどうか”は最低限見極めるようにしましょう。

現在の睡眠薬は、昔いわれていた“強烈な副作用”といったものはありませんのであまり不安に思わなくて大丈夫です。

もちろん薬ですから、用法用量、服用後の体の変化などは見守ることが大切です。

 

高齢者の「不眠症」判断は難しい

最後に、高齢の方の「不眠症」についてご説明します。

例えば、1ヶ月以上に渡って下記のような症状があったとします。

  • 「夜中に何度か目が覚めるようになった」
  • 「睡眠時間が以前より短くなっている」

一見「不眠症」に思えなくもありません。

 

しかし、「人間の睡眠リズムは年齢によって変化する」ものなのです。

赤ちゃんがたくさん眠り、小・中学生も大人より多くの時間眠ります。

反対に、老人は一般的に8時間も9時間も眠れず、6時間ほどで起きてしまうことはなんら珍しくありません。

これは成長期の年齢であることや、日中の活発な活動などで“脳や体に睡眠が必要かどうか”で変わってきます。

高齢者の体は成熟しきっており、1日を通して体をあまり動かさなくなります。

 

このような年齢の場合、不眠症の判断基準としては「日中の活動に支障が出ているか」が重要になります。

  • 「夜中に何度か目が覚めるようになった」
  • 「睡眠時間が以前より短くなっている」

これらは高齢になったことによる「睡眠リズムの変化」と考えれば特に問題ではありません。

一方で、

  • 「昼間なんだか体がだるい」
  • 「意識がボーッとしてなにもやる気がしない」
  • 「食欲がわいてこない」

などを感じるようであれば睡眠リズムの変化だけではなく、「不眠症」の可能性が浮上します。

特に高齢者の場合は、他にも原因がある可能性がありますので医師の診断を受けることをおすすめします。

 

「不眠症の判断基準」まとめ

不眠症を判断するにはいくつかのポイントがありました。

「不眠症」とは、“不眠の状態が1ヶ月以上に渡って続き、日中の活動に支障が出ている状態”のこと。

「2、3日眠れない日があった」は不眠症ではなく、一時的な睡眠の乱れによる“不眠症状”。

“人間の睡眠リズムは年齢によって変化する”ため、高齢者の不眠症判断は「日中の活動に支障が出ているかどうか」をチェック。

大きくはこの3点が重要なポイントです。

 

睡眠薬』については、まず「不眠症」であるかどうかを判断した上で服用を検討するようにします。

『睡眠薬』を使うことに抵抗がある方もいらっしゃると思います。

また、「本当に自分が不眠症なのかどうか自信が持てない」といった場合もあります。

 

やはり少しでも疑問がある場合は“睡眠の専門医”を受診するのが吉。

不眠症の判断だけでなく、「普段の睡眠の悩み」についても相談して回答をもらうことができます。

あまりない機会ですから「不眠」に悩むことがあったら思い切って専門の先生にいろいろ相談してみてはいかがでしょうか?

正しい助言と対処によって“睡眠改善の一歩”が簡単に踏み出せるかもしれません。

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